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〈FRENCH ANTIQUE Dining Table REPAIR WORK〉
フレンチアンティークダイニングテーブル天板製作/再塗装修理
今回ご紹介するのはオーク無垢材でできた伸長式フレンチダイニングテーブルの修理です。
お客様がフランス滞在時にご購入されたオーク無垢材のアンティークテーブル。やさしい草華のレリーフが女性的で美しく、どことなく田舎のお婆ちゃんのような暖かい素朴なイメージも思い浮かばせます。これ程味わい深いテーブルもなかなかありませんが、長い年月とたくさんの思い出の中で天板は色あせ、オーク無垢材で構成された天板は自由気ままに歪み「味」ではすまない状態にまでなっていました。
――BEFORE ダメージが深刻な中央天板と比較的状態の良いエクステンション。このような伸長式テーブルは来客時などにテーブルを拡張でき大変便利なアイテムですが使用頻度が異なるため両翼に比べトップ天板が先に劣化してしまいます。




購入当時から歪みはあったようですが、生活の中でストレス無く使うには流石に難しいかもしれません。
それでも、お客様にとっては捨てられない特別な思いがあります。
同じ様なデザイン、時代の物は探せばいつの日か見つかるやもしれませんが、フランスで見つけた家具との出会いや、共に過ごした思い出は、代えられないものでしょう。
リストリーのコンセプトは、Re(再生)+ Story(物語)です。お客様の大切な物をいつまでも語られる物であるように、誰にでもできる修理や修復ではないからこそ私たちがお客様の最後の砦となれる。そんな思いと確かな技術でお応えしています。
今回の修理ではテーブル天板の新規製作とエクステンション部分の再生をさせて頂きました。
まずは既存のテーブル天板と同等の天板を製作する為に、じっくり観察。せっかく天板を作り直しても同じように歪んでしまっては意味がないので、既存の天板より中板を10ミリ厚くし構造もただ板を載せていた物から実矧ぎへ変更し製作。


既存の天板を細かく採寸し、できる限り近い木目を選び構成しました。
やはりエクステンション部分と新規で製作した天板とでは持つ雰囲気が全く違います。今回最も重要なのは、0歳の天板と約80歳のエクステンション天板を「共演」させる事。

0歳の新規天板を一度墨入れし木目のコントラストを強調させます。
続いて、エクステンション(両翼)の既存塗装を剥離し、新規天板と共に表面を紙やすりで削り、約80年という長い垢を丁寧に落としていきます。
何度も収縮、膨張を繰り返した無垢材はすっかり油分を失い、かさつき、隙間もあいています。修理ではなく修復する気持ちで丁寧に保湿し隙間を天然膠で埋めておきます。
同時に染色していきますが、木材の年齢で色の染まり具合が違いますのでエクステンションは染めすぎず、新規天板はしっかりと染色し、差がでないように調整します。
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