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〈ANTIQUE Burr Walnut Oval Table RESTORATION WORK〉
アンティークオーバルテーブル再生修理
5 min
今回ご紹介するのはウォールナットの瘤材でできたヴィクトリアンオーバルテーブルの修理です。
瘤材独特の木目がカッコイイ芸術的なテーブル。当時の状態のまま残されたオリジナルフィニッシュで深みのある美しい黄金色は日本ではなかなかお目にかかれない貴重なアンティーク家具です。
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――BEFORE 自然美が見事な装飾ベニアが見るも無残な姿になっていましたこの状態でなんとか修理できないかとのご依頼ですが、センター部分のダメージはさすがに深刻ですので、お客様と相談のうえ解決策を提案します。


一番のダメージはセンターと手前の中心部分。
花台として使用していたこともあり、霧吹きの水・結露による浸水で木材が腐ちてめくれ上がっています。
ここまでなってしまうと化粧ベニアの再利用はほぼ不可能です。
新たに全て貼り直すか、部分的に破損部分を貼り替える必要があります。

さらにラウンドエッジに施された装飾ベニアもところどころ剥がれて欠損しています。
今回はエッジ部分の装飾ベニアを新たに付け足し、センターには今後浸水しないように真鍮板で装飾・補強する形での修復を施します。
まずは、欠損したベニアを貼り直す作業から始めていきます。

ベニアをあてがう前に天板自体のズレを修正し、固定しています。
センターの大きなダメージ部分には装飾ベニアではなく、
真鍮の無垢板を正方形にはめ込む仕様にしますので真鍮板分掘り下げ、下地処理を行ないました。
次に表面の塗装を剥離して、サンディングをかけます。

写真のように欠損部分の下地を調整しながらベニアを一枚一枚はめ込んでいきます。
天板手前に見られた腐食が激しい箇所は、アイロンで下地の膠を溶かしながら擦り、平にしていきます。
腐食が激しかった分慎重に貼り直し、整面処理に相当な時間を費やし仕上げました。
――AFTER 全体の修復は完成ですが、焦げ跡と水染みで深刻なダメージがのこる中央部には真鍮板をはめ込み、これまで通り花台としての役割を果たせるよう加工します。


センター部分に30センチ角の真鍮無垢板をはめ込み、完成です。
